売却のヒント不動産売却の基礎知識

古家付き土地で売却?更地で売却?古家付きのメリット・デメリット

2021.01.21

みなさんこんにちは!

静岡市の不動産会社、ライフステーションの小田です。

 

古い家の処分をする場合、家を取り壊して更地にして売却するほか「古家付き土地」として売却する方法があります。

「古家付き土地」という売却方法は、初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、古い家を「古家付き土地」として売却する場合のメリットやデメリットのほか、古家付き土地として売る方がいいケース、家を取り壊して更地として売る方がいいケースなどについて紹介します。

広い庭と古い家

 

 

古家付き土地とはどんなもの?

 

「古家付き土地」とは、古い建物が残されたままの土地のことです。

 

建物に経済的な価値はないとされ、中古住宅の売却ではなくあくまで土地の売却という形になります。

不動産会社の広告などでも、土地として紹介され「土地※現状古家あり」などと表示されます。

 

家がどのくらい古いと「古家」となるのかには明確な定義はありませんが、たとえば木造住宅であれば、木造建築物の法定耐用年数は20年。

そのため、築20年以上の木造住宅は経済的な価値がない古家として扱われることが多いです。

 

建物は残っていますが土地の売却なので、売却価格は土地のみの価格となっています。

 

 

 

古家付き土地として売却するメリット・デメリット

 

「古家付き土地」として売却するということは、「古い家を売る」というネガティブなイメージではなく、「(家が残っている)土地を売る」というポジティブなイメージに変換する売却手法になります。

買い手側にも「古家」を買うのではなく、「土地」を買うという意識を持ってもらいやすいです。

 

古家付き土地としての売却には、こんなメリットやデメリットがあります。

 

古家付き土地として売却するメリット

 

 

古家の解体費用がかからない

 

通常、土地として売却するためには建物を解体しなくてはいけませんが、古家付き土地として売却するなら建物はそのままでもOK。

解体費用の持ち出しは不要です。

 

解体費用がかからない分、売却価格を安く設定でき、購入希望者を見つけやすくなるでしょう。

 

 

購入後リノベーションをしたいという需要に応えられる

 

近年は新築だけではなく、中古住宅を購入して自分好みにリノベーションをしたいという需要も増えています。

更地にしてしまうよりは、そういった希望に対応しやすいです。

 

フルリノベーションが前提なら、家の古さや造りは気にならないでしょう。

 

 

建物があると土地の固定資産税が安い

 

家の売却が済むまでは、家と土地の固定資産税を払い続けなくてはいけません。

 

家が建っている土地は固定資産税が最大で1/6まで安くなるという特例があるため、建物を残しておいた方が固定資産税の負担が少なくなります。

更地にしてしまってなかなか売却できないと、土地の固定資産税の負担が大きくなってしまうのです。

 

古家付き土地として売却するデメリット

 

 

新築用の土地を探している人には売りづらい

 

新築住宅を建てるための土地を探している人にとっては、古家付き土地は検討しづらい土地になってしまいます。

購入後に費用と時間をかけて建物を解体しなくてはいけないからです。

 

 

解体費用分の値引きを求められることがある

 

土地の購入者が購入後に家の解体をしなくてはならないため、売り出し価格から建物の解体費用分の値引きを求められる可能性があります。

思っていたより安い価格で売却せざるを得なかった!といったケースも起こり得ます。

 

 

建物の維持管理が必要

 

古家付き土地が売れるまでは古家の維持管理が必要です。

もう誰も住んでいない家だからといって、放置しておくことはできません。

 

古家の管理は、定期的な清掃や風通し、敷地の草刈りや清掃など、手間と費用がかかるでしょう。

 

 

契約不適合責任(瑕疵担保責任)を問われる場合も考えられる

 

契約不適合責任(古い言い方では瑕疵担保責任)は、買主が購入した不動産に見えない欠陥を発見した際、補修費用を求められたり解約や損害賠償請求されたりするものです。

古家のある状態で売買するケースでは地中の調査が難しいため、売却後に建物を取り壊したら地中埋設物が出てきたり、建物にシロアリ被害が見つかったりすることも。

 

建物について一切の担保責任を負わないとする「契約不適合責任免責」の条文を盛り込んでおく、もしくは最初から売り出す広告などで「契約不適合責任免責は全部免責」を条件にしておくといいでしょう。

 

 

売却は古家付き土地のまま?更地にする?ケースごとに解説!

 

家の解体現場

古家付き土地として売った方がいいか、建物を取り壊して更地として売却した方がいいか、どんな場合でどちらがいいのか具体例を挙げて紹介します。

 

古家付き土地として売った方がいい物件

 

  • 建物に価値や魅力がある場合
  • 再建築が難しい物件や土地の場合
  • 土地の価格よりも解体費用の方が高くなってしまう場合

 

購入後に建物を活用してもらえるなら、古家付き土地としての売却はお互いにメリット大!

古くても魅力のある建物や活用できる建物なら、解体せずに古家付き土地として売却した方がいいでしょう。

 

建築基準法により再建築不可とされている場合も、一度解体してしまうともうそこには建物を建てられないため、そのまま活用したいという需要があるなら取り壊さない方がベター。

 

また、解体費用が土地の価格よりも高くなってしまいそうなケースでも、解体は見合わせた方がいいと言えるでしょう。

 

建物の解体には意外に高額な費用がかかります。

解体費用は土地の売却費用に上乗せすることになりますので、安いはずの土地に高い価格がついてしまうとなかなか売りづらくなってしまいますよね。

 

土地売却での建物解体費用については、こちらのコラムでも詳しくご紹介しています。

土地売却の解体費用は?安くする方法や更地にすべきでないケースも

 

更地にして売った方がいいケース

 

  • 建物が古すぎる場合
  • 建物耐震性が低い場合
  • できるだけ早く売りたい場合

 

建物が古すぎて活用が難しい場合は、取り壊して更地にした方がいいです。

どうせ活用できない家なら売主と買主のどちらが解体するかの違いですが、ボロボロの古い家があるだけで印象が悪くなり、「購入後に解体の手間と費用がかかる」と敬遠されてしまいます。

 

また、 1981年6月以前に建てられた家は現行の耐震基準を満たしていない可能性があります。

活用できない家の場合は、売却前に解体して更地として売り出した方が早く売れる可能性がありますよ!

 

そのほか、不動産を売却する際の注意点はこちらのコラムをチェックしてみてくださいね。

不動産売却の注意点とは?売却の流れに沿って解説!失敗しないコツも

 

 

まとめ

 

・古家付き土地とは、古い建物が残ったままの土地の売却方法
古家付き土地とは、古い建物が建ったまままの土地のことです。中古住宅の売却ではなく土地の売却という扱いになります。建物には価値がないとされ、土地のみの価格での売却です。

 

・ 古家付き土地として売却するメリット・デメリット
古家付き土地として売却するのは、解体費用が不要、購入後リノベーションしたいという需要に応えられる、建物があると土地の固定資産税が安くなるというメリットがあります。しかし、土地のみを探している人には売りにくい、解体費用分の値引きを求められる可能性がある、建物の維持管理に費用がかかる、契約不適合責任を問われる場合も考えられるというデメリットがあります。

 

・ 古家付き土地で売却した方がいいケースと更地で売却した方がいいケース
売却後にも活用できるような建物の場合は古家付き土地として売却した方がいいです。今はリノベーションや古民家などの需要もあります。ただし、古すぎたり耐震性が低かったりして活用が難しい建物の場合は、更地にしてしまった方がスムーズに売却できるでしょう。

 

 

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